徒然草 第九十七段

現代語訳

 その物に寄生し、それを捕食し、結果的に食い尽くしてしまう物は、佃煮にするほどある。身体にはシラミが湧く。家にはネズミが同居する。国家には反逆者がいる。小市民には財産がある。権力者には義理がある。僧侶には仏法があるのであった。

原文

 その物に付きて、その物をつひやし(そこふ物、数を知らずあり。身に蝨あり。家に(ねずみあり。国に賊あり。小人(せうじん(たからあり。君子に仁義(じんぎあり。僧に法あり。

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