徒然草 第百六十一段

現代語訳

 サクラの花の盛りは、一年中で日照時間が一番短い冬至から百五十日目とも、春分の九日後とも言われているが、立春の七十五日後が、おおよそ適当である。

原文

 花の盛りは、冬至(とうじより百五十日とも、時正(じしやうの後、七日とも言へど、立春より七十五日、大様(おほやう(たがはず。

注釈

 冬至(とうじ

  太陽が一年中で天球の最も南に寄った日。北半球では日照時間が最も短くなる。

 時正(じしやう

  昼と夜の長さが同じ日。秋分、春分の二日後。ここでは春の時正を指す。

 立春

  陰暦で、冬から春に入るはじめの日。鎌倉末期では四月二十日から二十二日頃。

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