徒然草 序

現代語訳

 むらむらと発情したまま一日中、(すずりとにらめっこしながら、心の中を通り過ぎてゆくどうしようもないことをだらだらと書きつけているうちに、なんとなく変な気分になってしまった。

原文

 つれづれなるまゝに、日くらし、(すずりにむかひて、心に移りゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。

注釈

 吉田兼好

  鎌倉時代から南北朝時代の随筆家・歌人。卜部兼好(うらべかねよし。兼好法師とも。

 つれづれ

  求道者としての兼好法師という側面から「煩悩(ぼんのう散乱状態」であると考えることもできる。誰が名付けたのかは不明だが、本随筆の題名が、この冒頭の単語にちなむということを知らない人はいないだろう。

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