現代語訳
誰かが短歌のことを話し出して、取り上げた短歌がつまらなかったら、白けてしまう。しっかり短歌を読み解ける人ならば、そんな短歌は「良い歌だ」と勘違いして取り上げたりはしない。
どんなことででも、よく分かりもしない世界の持論をこねくり回しているのを聞くと、気の毒な気がするし、良い気がしない。
原文
人の語り
出 でたる歌物語の、歌のわろきこそ、本意 なけれ。少しその道知らん人は、いみじと思ひては語らじ。
すべて、いとも知らぬ道の物語したる、かたはらいたく、聞きにくし。
注釈
歌物語
短歌にまつわる話。