現代語訳
「囲碁、双六を好み、朝から晩まで遊びほうけている人は、強姦、窃盗、殺人、詐欺といった犯罪や、親殺し、恩人殺し、背任、聖職者の傷害といった反逆よりも重い罪を犯している」という、ある聖人の言葉が今でも忘れられず、ありがたく思える。
原文
「
囲碁 ・双六 好みて明かし暮らす人は、四重 ・五逆 にもまされる悪事とぞ思ふ」と、或 ひじりの申しし事、耳に止まりて、いみじく覚 え侍 り。
注釈
十二本の線を引いた盤上で白黒十二個の石を置き、二つのサイコロを振って出た数だけ石を動かす二人でする遊び。