徒然草 第三十五段

現代語訳

 字が下手くそだけど、何の遠慮もなく当然のように手紙を書き殴っている様子は、かえって清々しい。恥ずかしいからと言って、他人に代筆させるなんて厭らしいことだ。

原文

 手のわろき人の、はゞからず、(ふみ書き散らすは、よし。見ぐるしとて、人に書かするは、うるさし。

注釈

 手

  手を働かせてすること。筆跡、文字もその一つ。

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