現代語訳
下品に見えてしまうもの。座っている周りに道具がたくさん転がっていること。硯に筆がたくさん陳列されていること。礼拝堂に仏像が多いこと。ガーデニングで石や草花を騒々しくすること。家の中に子供や孫がうようよしていること。人と会うとおしゃべりなこと。自分の自慢をたくさん書いた紙と引き換えに神仏に無理な祈願をすること。
おおよそ、多くても見苦しくないのは、キャスター付きの本棚に本がたくさんあること。ゴミ箱のゴミ。
原文
賤 しげなる物、居 たるあたりに調度 の多 き。硯 に筆の多き。持仏堂 に仏 の多き。前栽 に石・草木の多き。家の内に子孫 の多き。人にあひて詞 の多き。願文 に作善 多く書き載せたる。
多くて見苦しからぬは、文車 の文 。塵塚 の塵。
注釈
毎日礼拝する仏壇を置く室のこと。
庭の植え込みのこと。
仏に願うことを書いた文。
書物を運ぶための小さい車。
ゴミを捨てる場所。